土の色 その2
こんばんは。粒子です。
土の色の続き。
赤、黄、黒。
土の色は、その土の成り立ちと、性質を知る上で、重要な手がかりになります。
色が、土の分類基準にもなっているんですよ。
色なんて曖昧なもの、どうやって、情報を共有するかというと、こんな道具があります。
「標準土色帳」どんっ。
目で見比べて判断なんて、なんてアナログな!と思われるかもしれませんが、現場で五感に勝る物無し。
これは、マンセルのカラーチャートから、土に関係する色だけを集めたもので、色を世界共通の記号と数字で表すことができます。
そのため、「うちの表層、10YR1.7/1ですよ。」とか、「このまえ2.5YR4/8のB層掘りました。」と言うだけで、「おお〜!」と世界中の土壌学者が興奮できるわけです。
どれだけ色があるかというと
こんな色の土、あるの!?って色までありますね。
それがあるんですよ〜、こんな色の土が。
という話は、またの機会に。
さて、赤、黄、黒色の粒たちに話は戻ります。
土の色は、鉄の化合物や、有機物の、種類と量で決まることがほとんどです。
小笠原の赤色は、ヘマタイト、という鉄酸化物の色。
亜熱帯や熱帯など、気温が高い気候条件では、ヘマタイトやゲータイトという鉄酸化物が土の中に出来るので、赤〜黄色の土がみられます。
つくば(畑)の黄色は、フェリハイドライト、という鉄酸化物の色。
明瞭な結晶構造を持たない、ユニークな鉱物で、黄褐色になります。
私たちは、この結晶構造を持たない鉱物に、興味津々です。
そして、つくば(水田)の灰色は、鉄が無くなってしまった色です。
なんで鉄が無くなったか気になります?
じゃぁ、それもまた、別の機会に(長くなりますからね)。
最後に、有機物の色はどうなのよ?ということで、つくば山のA層を持ってきました。
黒い丸じゃないですよ。土が盛ってあります。
土壌中の有機物の量が多くなるほど、黒っぽくなります。
ところが、なんで有機物の量が多くなるの?とか、有機物の色が黒くなるの?と、聞かれると、私たちは答えに詰まってしまいます。
土の中に有機物があること、すごくあたりまえのことですが、その基本的なメカニズムは、よくわかっていないのです。
場所によって(深さによっても)、土の色は様々です。
その色の違いは、土が存在する環境、生物、有機物、そして無機物の相互作用の違いを表しているといえます。
土の中で、サイズも、タイムスケールも違った、めくるめく相互作用が起こっている。
想像すると鼻血を噴きそうですね。
さ、興奮したところで終了。