土のつぶろぐ

土の粒々から世界を考える!(ある土壌科学者チームの挑戦)

粒蔵

成果発表に行ってきました!

あっという間に年が明けて梅の季節になりました。 月1回更新の目標を完全に無視してしまっている粒蔵ですが、辞めたわけでも、熱が冷めた訳でもありません。忙しかったり、気が乗らなかったり、理由はいろいろありますが、〆切も言い訳も必要ないのがブログ…

粒子の論文受理!

秋も深まりつつある研究室に、良いNewsが舞い込みました。 粒子さんの論文がGeodermaという国際誌に受理されました!テーマはズバリ、団粒階層虚空蔵、もとい、団粒階層構造です。内容は粒子(つぶこ)自身に解説して貰うとして、今日は背景だけ紹介したいと…

「温暖化と土壌有機物の分解」についての研究がプレスリリースされました

8月26日に僕らの研究のプレスリリースを行いました。遅ればせながら、報告します。正式には「温暖化により土壌有機物の分解速度がどれくらい加速されるか、その要因を解明ー地球温暖化予測の精度向上に役立ちます」というタイトルで、農環研のHPから見られま…

やっぱり子供は泥遊びが好きだった! アウトリーチ活動の報告

夏休みを取っていた訳ではないのですが、かなりブログをさぼってしまった。。気を取り直して、書き始めます。 私達の研究プロジェクトでは、「国民との対話」という活動が推奨されています。つまり、税金で行われている専門的な研究(その内容や成果)を一般…

土壌学の用語の感覚的な説明シリーズ: 【土性】

連休ボケか連休明けの忙しさからか、しばらくまた書けませんでした。まず、前回のエントリーに出てきた用語の説明をもう少ししておきます。 どの学問もおなじかもしれませんが、土壌学の専門用語は、なかなかとっつきにくく、難解で、密教的にすらなります。…

土の中の世界:構造の巻(土は色々な物質が組み合わさって出来ている)

さて、いい加減、このブログの表の主題に戻ります。今日は、「土はぐちゃぐちゃ混沌として物体ではなくて、幾つかの物質が規則性をもって組み合わさって出来た構造物(例えば、人間の作る建築物のようなもの)なのです」という話です。 土は、岩石の粉砕物や…

研究者と論文#3(「何歳なら論文何本」という考え方)

論文と若手研究者の評価・雇用について、もう少しつぶやくことにします。 研究職の公募に応募するとき、あるいは国の特別研究員に応募するときなどに、「何歳なら(あるいは博士号取ってから何年なら)、論文を何報は出しておかないと、まず通らない」という…

来日中の土壌化学者の帰国、土壌団粒と分解性

来日中の土壌化学の教授がアメリカへ帰られました。北東部の寒い所から来ていたので、来日直後から「暖かいねー」とニコニコでした。別れる時も、とても楽しかった・有意義だったとビックスマイルで帰って行きました。一緒に実験もやったので、何かと忙しか…

研究者と論文#2(論文の数と質、若手の生き残り戦略)

論文のお話の続きです。 アメリカではPublish or perishと昔から言われているように、論文を出さない研究者は消える(職を得られない、職が維持できない)のがさだめで、日本でも(昔は違ったようですが)現在の任期付きの研究者が置かれている状況は同じで…

研究者と論文

このところ論文についての話題が身近なところで何度か出たので、今日はこれをテーマに小話を。 研究者は、基本的に論文で評価されます。賛否両論ありますが、より良い評価法は見当たらず、現実としてそうなっています。この次世代プロジェクトでも、これだけ…

2番目に大事な調査道具

明けましておめでとうございます。 今年もよろしくおねがいします。 といっても、殆ど反応がなく、ブログの孤独さ・難しさを感じてます。ブツブツブツ、つぶつぶつぶ。 すっかり月1回ペースになり下がってますが、今日は「土を調べる道具たちシリーズ」第二…

踏んで「ぼくぼく」 黒ボク土

日本のどこかで、この土壌の種類は何? と聞かれる特殊な状況になった時、 農地(つまり平らなところ)では、黒ボク土 山では、褐色森林土 と言えば、けっこう当たります。 (灰色っぽい沖積土とか赤黄色土とかもありますが) 今日は僕らがいま一番気合いを…

腐植物質とは?なぜ土壌に有機物は溜ってゆくのか?

先週、日本腐植物質学会のシンポジウムで「物理分画法から見える腐植物質(土壌有機物)の特徴」というタイトルで、現在のプロジェクトの成果を発表してきました。 土壌腐植研究の大御所の先生方も来られており、質問もたくさん受け、活発なディスカッション…

詩の注釈 「凝集する粒」

粒子さん、すごい詩作ったね!山尾三省を超えたか?はい、秋の空は人をその気にさせるようです。 このマニアックな詩にはまる人はもの凄く少ないだろうけど、宮沢賢治や関豊太郎(賢治の土壌学の師)は、きっと分かってくれるよ! このブログを見てくれる奇…

次世代の研究者を育てるためには?

今日からブログ更新のギアチェンジ。週一回を目指します! トップバッター粒蔵です。 いきなり、土とも粒とも無関係ですが、遅ればせながらiPS細胞の山中さんネタで。大発見というだけでなく、山中さんのこれまでの挫折を含めた研究人生、周りへの感謝の念、…

懐かしのフィールド(土を掘って、断面を見てみれば)

こんばんわ。団 粒蔵(つぶぞう)です。団 粒子のボス的存在になります。 ミクロな写真がアップされたので、マクロな写真で対抗(?)します。 先日、新潟のブナ林に行ってきました。そこは、粒蔵が初めてフィールドサイエンス(野外での自然科学)の手伝い…